引っ張りダコ女優【川栄李奈】あの俳優から学んだ芝居に対する姿勢とは?

今や映画やテレビ、CMにとひっぱりだこの女優・川栄李奈さん。
10月20日に公開される映画『恋のしずく』は、彼女にとって初めての主演映画としても話題になっています。
初主演映画『恋のしずく』

出典:eiga.com
本作の主人公となるのは、川栄さん演じる東京の農大に通う“日本酒嫌い”の詩織。
ワインソムリエを夢見ている彼女は研修生として日本酒の酒造を訪れます。
はじめは嫌々ながらもそこで土地の人々や日本酒造りを通して、いままでにない喜びを見出していく詩織。
主人公の恋や成長していく姿を描いた青春ドラマです。
川栄さんにとっては今回が初主演映画となりますが、そのことについて本人は嬉しさよりも不安の方が大きかった様子。
「もちろんうれしかったですが、私が主演なんて『誰も観てくれなかったらどうしよう』と思って…」とオファーを受けた時の素直すぎる心境を吐露していました。
しかし、やると一度決めれば必要以上に気負いすぎずに取り組めるところが彼女の一つの武器。
『真ん中に立つんだ』と強く意識することもなかったと言っていました。
また、自他共に認める極度の「人見知り」として知られる川栄さん。
現場に入っても、なかなかうまく話すことができないことも多いと言います。
しかし今回の撮影では、共演者の皆さんとすごく仲よくなれたと話していました。
現場では撮影用にと貸してもらった酒蔵の自宅が控え室だったそうで、撮影の初日から、こたつを囲んでみんなでお昼ご飯を食べたりしたそう。
川栄さんはその時の様子を「毎日、お正月に親戚が集まっているような雰囲気(笑)。」と語っていました。
まるで本当の家族のような時間を過ごしながら、リラックスした気持ちで映画に取り組めたと話す川栄さん。
自身が演じた詩織と同じく、人々と触れ合うことで現場の環境に馴染んでいくことができたといいます。
今回の撮影は日本三大酒処の一つ、広島県東広島市・西条で敢行。
映画の中では日本酒造りの工程や、そこにかける人々の想いが丁寧に映しだされています。
杜氏の仕事を目の当たりにした川栄さんは「一滴のお酒にも、たくさんの愛情がこもっているんだということを知りました。実際にやってみると、ものすごい力仕事」と酒造りの大変さに驚いたと言っています。
また、「みんなで『これは大変だ!』と言いながら重たい桶をかついだり、そういった作業もとても新鮮で楽しかったです」と笑顔を見せていました。
そして、映画の見所については「杜氏の方も『西条のお酒のためなら』とお酒のよさを伝えるために、すごい熱を込めて指導してくださって。スクリーンを通して、そのよさが伝わればすごくうれしいです」とアピールしていました。
映画『恋のしずく』予告編
出典:YouTube
川栄李奈さんのプロフィールと経歴

出典:Yahoo!ニュース
生年月日:1995年2月12日
出身地:神奈川県
血液型:O型
身長:152cm
所属事務所:エイベックス・マネジメント
川栄李奈さんが芸能界入りしたのは15歳の時。
憧れだったAKB48のオーディションに参加し、合格したことがきっかけでした。
その当時は本人いわく「当初は振り付けなども覚えていかないような劣等生」だったそうですが、バラエティなどで次第に頭角を現し、2012年5月にはシングル『真夏のSounds good !』で初選抜を果たし徐々にファンを増やし始めます。

出典:NAVER まとめ
次第にメディアへの露出が増えていった川栄さん。
バラエティー番組で付けられた「おバカキャラ」が定着し、少しずつですが世間的にも知られる存在になっていきます。
アイドルとして活躍する一方で女優業にも力を入れ始め、2014年のドラマ『SHARK』(日本テレビ系)で初めて単独でドラマに出演を果たします。
そんな川栄李奈さんを悲劇が襲ったのは同年5月のこと。岩手県で開催されたAKB48の握手会で、刃物を持った暴漢に襲われて右手親指骨折など、重傷を負ってしまったのです。
翌月には仕事に復帰し気丈な姿を見せたものの、その心には深いキズが残っており、これ以降の握手会に川栄李奈さんは出席できなくなってしまいました。
そのことが大きな原因となり、2015年8月にAKB48を卒業しました。
でも、彼女は至って前向き。
女優業にさらに力を入れていきたいという気持ちが高まったこともあり、卒業を決めたとファンに報告しています。
それからは女優業を本格的にスタート。
2016年はNHK連続テレビ小説『とと姉ちゃん』を中心に数多くのドラマに出演し、確実に女優としてステップアップしていきます。
そして、2017年、2018年とその勢いはとどまらることを知らず、現在では実力も人気も兼ね備えた女優として、ファンのみならず多くの人が注目する存在になっています。
川栄李奈さんのモットーは“謙虚さ”!?
AKB48卒業後、女優として目覚ましい活躍を見せている川栄李奈さん。
「謙虚に」をモットーに日々精進しているという彼女ですが、「女優はたくさんの出会いがあるお仕事。変化や刺激があってとても楽しい」と、いまはその道の醍醐味を実感する日々だと言います。
AKB48在籍時から女優への憧れを強くしていたという彼女。
主役、脇役に限らず「今はどんな役でもやってみたい」そうで…。
「いまはお芝居ができれば、とにかく楽しいんです。女優になりたいと思ったころよりも、その気持ちは大きくなっています」と充実感いっぱいの表情を見せています。
そして、「いろいろな人に会えることが、一番楽しいです。女優のお仕事は、ご縁でつながっていくもの。たくさんの人に出会って、刺激を受けて、吸収もできる。ありがたいことに、今年はたくさんの作品に出させていただいて。同時進行で作品が重なることもありますが、私はAKBのころからパッと切り替えることができるタイプなので、大丈夫です」となんとも力強い返事。
今回の映画については主演ならではの悩みもあったようで、「主役でセリフ量も多くて…。セリフを覚えるコツは特にないですが、ひたすら脚本を読むこと。お風呂に持ち込んで読む時もありますよ!」とその克服方法も教えてくれました。
大先輩に学んだこと
映画「恋のしずく」は、今年2月に亡くなられた俳優・大杉漣さんの遺作でもあります。
大杉さんは詩織が訪れる酒蔵の蔵元役として出演。
川栄さんは大杉さんと待ち時間にセットの縁側でひなたぼっこをしながら、いろんなことをお話ししたそうです。
その中でも嬉しかったというエピソードについて、「大杉さんのお知り合いの方が『私のファンだ』と言ってらっしゃったそうで、『一緒に写真撮ってくれる?』と写真を撮ってくださったり。クランクアップの日、『川栄さんとはまた共演すると思う』と言ってくださったのが、ものすごくうれしかったです」とその当時を懐かしそうに振り返っていました。
また大杉さんからは現場での佇まいや、芝居への姿勢を学んだという川栄さん。
その立ち姿や振る舞いは惚れ惚れとする瞬間ばかりだったそうで、「テストから、緊張感が走るくらいの熱量で演じられる。監督ともたくさん意見を交わし合っていらっしゃって、すばらしいなと思いました。大先輩なので『壁があるのかな?』と思っていたんですが、まったくない。みんなに同じように接してくれるんです」と語ってくれました。
大杉さんの見せてくれた背中からたくさんのものを受け取ったという彼女。
主人公の詩織が日本酒を通して自分の新たな道を見つけていくように、川栄さん自身にとって「新しい道を見つけられたと思うような出会い」について聞いてみると、やはり俳優「大杉漣」さんとの出会いは彼女の中でとても大きかったようで、「お芝居ができたことはものすごくありがたく、大きな経験になっています」と明かしています。
そして最後に、「バイプレイヤーと言われる方々は、なぜこんなにたくさんの映画やドラマに出演されているんだろうと考えた時に、もちろんお芝居もすばらしいけれど、なにより人に対しての挨拶や礼儀など、人間としてすばらしいからだと思って。私も『そういう人でありたい』と思いました」と大先輩から得たことを今後に生かしていきたいと話していました。
川栄さんの周りやお芝居に対する誠実で謙虚な姿勢の原点は、名バイプレイヤーたちとの出会いが大きく関わっていたようですね。

出典:Twitter
引っ張りダコ状態の今後は?
AKB48時代は人気こそあれど、前田敦子さんや大島優子さんのように皆に名前が知られているような存在ではなかった川栄さん。
しかしグループを卒業後、2016年前期のNHK連続テレビ小説『とと姉ちゃん』に起用されたことを皮切りに、演技力を高く評価され、知名度を伸ばしています。
その躍進は止まらず、そのあともドラマ、映画のオファーが殺到。
CMへの出演も増えており、2017年の『日テレCM大賞』に選ばれたauの『三太郎』シリーズでは、破天荒な織姫役となり、見る人の目を釘付けにしました。
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最近のドラマでは、今年4月に放送された『崖っぷちホテル!』(日本テレビ系)や先月期には『健康で文化的な最低限度の生活』(フジテレビ系)に出演。
そして来年はNHK大河ドラマ『いだてん~東京オリムピック噺~』への起用も決まっており、女優としてさらにステップアップを図るチャンスを迎えています。
川栄さんがこれだけ売れっ子になった要因は、彼女の「謙虚さ」にあるのではないでしょうか?
元アイドルながら、意外にも演技力があって、どんな役にも染まれる使い勝手のよさが彼女の持ち味。
また現場では制作スタッフからの注文を忠実にこなすため、業界評が高いと言います。
こういった彼女の強みと今回公開を控える映画の中で大先輩から学んだ教訓を生かして、今後も幅広く活躍していって欲しいですね。

出典:AU one